秋田市上下水道局

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秋田市上下水道局の歴史、9年の時をかけて
明治22年の4月に市制施行と同時に、市営の水道が計画されました。明治23年の9月に水道創設取調委員会を組織し、水源を旭川上流として本格的に調査検討を行いましたが、諸般の事情により調査は中止するしかありませんでした。明治31年に歩兵第17連隊が駐屯することになりました。さらに明治35年には奥羽本線が開通し、市勢の発展は著しく上水道の布設を早期に実現する必要に迫られ、明治36年には内務大臣から許可を取得し、10月に工事に着工しました。
しかし日露戦争勃発のため、工事は一時延期をせざるおえなくなり、明治40年の8月にようやく完成し、完成までに9年の月日がかかりました。
秋田市の水源を紹介、取水を停止した藤倉ダム
秋田市の上水道は、雄物川をおもに水源としています。川から取水する権利として、1日あたり約157,000㎥を確保しており、上流の玉川ダムには約100,000㎥の水量を確保しています。雄物川右岸の仁井田浄水場では、第1取水井・第2取水井から対岸にある豊岩浄水場で、取水門からそれぞれ水を取り入れています。
雄物川
雄物川は秋田県を流れる一級河川で、秋田県湯沢市の山形県最上郡真室川町との、県堺の付近にある大仙山に源を発しています。十分一沢川と南沢川が合流して雄物川になります。未だ本流筋にはダムはなく、まとまった雨が降ると一気に水嵩が増し、夏期には渇水期には水嵩が大幅に減少します。
藤倉ダム
藤倉水源地は、秋田市内の飲料水・放火用水供給のために明治36年に建設が始まり、明治40年に一部給水を開始しました。約70年間、秋田市民に清涼な飲料水を供給し続けましたが、給水の全てが雄物川からまかなわれるようになり、昭和48年に藤倉ダムは取水を停止しました。
水道局には欠かせない、環境保全への取り組み
水道事業は循環資源である、水を利用してサービスを供給する事業である反面、日本で使用されている電力の0.8%を消費している、エネルギー消費産業といった面もあります。そのため、環境負荷の低減や環境保全について積極的に取り組む必要があり、仁井田浄水場における浄水処理汚泥の乾燥処理方式を機械脱水から天日乾燥するなど、省資源・省エネルギーに配慮した事業運営に努めています。
また水資源の有効利用といった面では、有効率の向上は極めて重要な課題と考えられており、配水管整備や漏水防止対策などの向上策に積極的に取り組んでいるそうです。
水の学習館
水の学習館は、仁井田浄水場内に整備されています。水道100週年を機に、市民とともに作り上げた財産である「水道事業のあゆみ」を集大成にし、先人の知恵や工夫、情熱などを学び、楽しみながら水と関わり、自然の恵みとしての水や環境の大切さを確認できる学習館であることをコンセプトにしています。
水道の100年の歴史が一目でわかるような大きい年表、近代化遺跡である藤倉水源地のトラス橋を再現した模型、使用済みのペットボトルで作ったシャンデリアなどが展示されており、タッチ四季の水道クイズなど見て楽しい、触って楽しい学習アイテムがたくさんあります。予約が必要になりますが、入場料が無料なため、気軽に見学出来る施設と言えるでしょう。
おわりに
秋田市上下水道局は、9年もの長い年月をかけてやっと完成しました。雄物川をおもに水源とし、秋田市民に清涼な飲料水を届けています。また積極的に環境保全の取組や、省資源・省エネルギーに配慮した事業運営に努めています。水の学習館は無料で入場することができ、楽しみながら学べる施設となっているためおすすめです。